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1981年12月25日 (金)

(株)リリー食品工業[音更町]

モデル工場また倒産 “障害者の城”師走風冷たく

【音更】十勝管内の心身障害者雇用モデル工場第一号である同管内音更町然別北五線西三七、リリー食品工業(岡本秋雄社長、資本金一千万円)が、経営が立ち行かなくなって二十五日、釧路地裁帯広支部に和議を申請した。労働省指定のモデル工場の事実上倒産は、十一月のサッポロスープ(札幌)に次いで道内で二件目。年の瀬も押し詰まった中だけに、従業員の半数を占める精薄者やその関係者にとっては、厳しい新年となりそうだ。

音更のリリー食品「操業続けたい」 地裁が財産保全命令

漬物加工の同社は四十七年に創業、年商約四億円は管内業界一位。音更工場のほかに心身障害者を雇用していない札幌工場、釧路営業所を持つ。

四十九年ごろから、同町内の精薄者更生施設、晩盛学園(園生九十人)の園生の職場実習を引き受けた縁で、同施設卒園者を採用。昨年八月にはモデル工場の指定を受け、国から二億円の助成、雇用促進事業団から一億五千万円の低利融資を受けて、現在の新工場を昨年十二月に完成させた。現在、音更工場(従業員三十七人)では身障者一人と軽度、重度の精薄者十八人が働いている。

ところが、こうした積極的な設備投資を行って迎えた今年、春先からの低温、八月の風水害などで原料の野菜類が品薄となり高騰、生産販売が伸び悩んだことから資金難に陥り、和議を申請した。財産の保全命令は申請の二十五日に同支部から出されているが、民間信用調査機関の東京商工リサーチ帯広支店の推定では、負債総額は約四億円とみられている。債権者は金融機関が大口で、ほかに材料調達先の農家、調味料、包装資材などの業者が中心といわれている。

同社の岡本治男専務は「保全の命令も出たので、必死の努力で心身障害者の職場を確保したい。これから債権者の人たちと話し合いを進めなければならないが、札幌工場の整理などで、本社工場は操業を続けていきたい」と話している。

障害者のうち精薄者の十八人は全員が晩成学園の卒園者。現在は同学園の通勤寮から通っているが、仮に解雇などの事態となれば、通勤寮の入寮費などで厳しい事態も考えられる。

同学園の茂古沼勲園長は「厳しいとは聞いていたが、二十五日には全員が給料を支払ってもらい、喜んでいた。サッポロスープと異なりリリー食品は、経営陣の乱れなどはないはずなので、何とか立ち直って身障者雇用の場を確保してもらいたい」と言っている。

北海道新聞
1981/12/27
http://www.hokkaido-np.co.jp/
 

フォト海道(道新写真データベース)
【写真説明】4億円の負債を抱えて和議申請を出した「リリー食品工業」=十勝管内音更町然別 掲載 1981/12/27

 

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