« 北林建材(株)[札幌市] | トップページ | 富士管材機工(株)[札幌市] »

1981年11月17日 (火)

サッポロスープ(株)[札幌市]

倒産旋風 福祉もかむ 障害者雇用モデル工場不渡り 負債は約三億円 サッポロスープ「働く喜び」砕く

不況の中で心身障害者雇用のモデル工場が倒産した。札幌市内のモデル工場第一号でもある白石区厚別町下野幌三ノ四六、サッポロスープ株式会社(資本金一千万円)。会社は二十四日、従業員説明会を開き、一週間程度の自宅待機を指示、善後策を検討しているが、「もう正月も近いのに」と、精薄者が大半の従業員や家族は不安を募らせている。

同社はスパゲティ、スープ、そう菜、ソースなどの製造販売会社。五十五年秋に障害者雇用のモデル工場の指定を受けた。障害者雇用は札幌職業安定所の働きかけで五十四年から始めており、現在三十五人の従業員のうち三人がろうあ者など障害者、十七人が軽度、重度の精薄者だ。

モデル工場になった後、同社は雇用促進事業団を通じて国から一億五千万円余りの助成を受けるなどして、東区の旧工場を白石区に移転、昨年秋から新しい工場で操業していたが、今月十六日と十七日に不渡り手形を出し、二十日に銀行取引停止となって倒産した。負債総額は約三億円。民間の信用調査機関によると、外食産業、スーパーへの販路拡張を目指し、生産能力を倍増したものの、月商が一時の二千万円から千五百万円に落ち込み、経営が悪化、在庫がかさんだうえ、資金不足を高利で穴埋めするなどしたことが、倒産につながった。

不渡りを出す直前の十二日に二人の代表取締役が辞任、十四日に新たな代表取締役が就任しており、この倒産の背景には複雑な要素がからんでいるのでは…と指摘する関係者もいるが、当面する大きな問題の一つは従業員対策。会社は二十四日昼、従業員を集め専務が「一週間ぐらい休んで欲しい。出来るだけ早く再建するようにするから自宅待機を」と説明した。しかし、専務によると、債権者との話し合いもあり、再建できるかどうかは全くわからない状況で、二十五日に払う給料も売掛金を回収したあと早くても今月末になるという。

会社側の説明に従業員も動揺を隠しきれない。午前八時半から午後五時までの勤務で、精薄者は月六万円から八万円、身障者は十万―十二万円の収入があり、ほかに年間二カ月分ほどのボーナスもある。なによりも、かきあげ天ぷらやスープの個装、箱詰め、玉ネギ、ニンジンの皮むきといった作業を通じて、働く喜びが得られた職場を失うかもしれないことを感じとっているという。

従業員の一人、十九歳の青年は「今年三月、養護学校を卒業して四月から勤めました。働くのは楽しかったし、友だちも出来たのに」と語り、女子従業員(三八)の親は「子供が元気に働いていてとても喜んでいたのに、会社もとてもよくしてくれていました。正月が目の前ですし、なんとか再建してもらえれば」と祈るよう。もう一人の女子従業員(二九)の姉は「妹は以前勤めていた長靴製造会社の経営縮小で人員整理の対象になり、一年後にやっと見つけた勤め先。会社の雰囲気が良く、みんなが喜んでいました。これからどうなるのでしょう」と不安そう。

また、債権者の中には障害者雇用促進の意味で協力している人もあり、「子供たち(障害者)がなんとか働き続けられる道を」という声も多い。道労働部、札幌職業安定所もモデル工場倒産にショックを受け、道は「従業員の問題もあり、安定所を通じて状況をよく把握したうえで、できることなら存続を」と言っているのだが…。

北海道新聞
1981/11/25
http://www.hokkaido-np.co.jp/

« 北林建材(株)[札幌市] | トップページ | 富士管材機工(株)[札幌市] »

0040 札幌市白石区」カテゴリの記事

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1345999/46387708

この記事へのトラックバック一覧です: サッポロスープ(株)[札幌市]:

« 北林建材(株)[札幌市] | トップページ | 富士管材機工(株)[札幌市] »