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1981年11月 2日 (月)

札幌急便商事(株)[札幌市](10ヶ月ぶり2回目)

札幌急便また“パンク”

長引く不況から運輸業界にも深刻な影響が出ているが、道内トラック輸送の中堅、札幌急便商事(本社・札幌市、資本金三千万円)がこのほど不渡り手形を出して事実上倒産、経営者は総額約八億円の負債を残して今月初めから行方不明になっている。同社は今年一月に一度倒産、和議が成立して再建途上だったが、景気低迷と業界の競争激化の中で再度の倒産に追い込まれた。残された約百二十人の従業員は、給料数カ月分が未支給のまま、売掛金もすでに債権者に押さえられ途方に暮れながら年末を迎えようとしている。

不渡り、社長失跡 再建途上に8億円の負債

同社が振り出した額面千四百万円の手形が十月三十一日、拓銀円山支店で不渡りとなった。手形の不渡りはこれが一回目だが、社長と専務(社長夫人)は十一月二日から行方不明になっており、民間信用調査機関や金融筋は事実上の倒産とみている。

同社は昭和四十五年の設立で、商社などを客とするトラックによる便利屋・急便会社としては道内のしにせ。札幌に三カ所のターミナル、旭川に営業所を置くほか函館、北見、稚内など全道十都市に取扱店を設け有力企業を顧客に全道ネットの便利屋として一時は年商十億円にも上り脚光を浴びた。

しかし、不況の浸透にもかかわらず過大な設備投資で事業拡大を図った結果、ことし一月、総額約六億四千万円の負債を抱えて倒産した。その後、札幌地裁で、債権者との和議が確定、従業員数を半減、トラック台数も九十七台を六十二台に減らして再建に乗り出していたが再び行き詰まった。

従業員らの話によると、再建後は毎月の売り上げが二千五百万円前後、十月は三千万円に達しており、業績は上向き傾向。札幌市白石区大谷地の流通団地内に新しいターミナルを開設、今月一日に移転する予定だった。それにもかかわらず資金繰りがつかなくなったのは、和議確定で一時タナ上げになったはずの負債支払いが、実は債権者から和議への同意を取り付けるため裏で支払われていたからだという。

道内のトラック輸送業界は、景気の落ち込みから荷物が減り、各社いずれも深刻な不況に見舞われている。札幌急便のような便利屋は札幌市内だけでも数十の業者がひしめく。さらに最近は日本通運や札幌通運など大手の路線運送会社も手がけ始め猛烈な過当競争が行われている。同業者によると、ダンピング合戦も激しく、スチール机の運賃が道内どこでも一個三百円という信じられないような話しも伝えられる。

札幌急便の本社(札幌市中央区北五西二三)やトラックターミナル(同市白石区菊水上町四ノ四)では、残された従業員が社長夫妻の突然の失跡にぼう然としている。未払いの給料は多い人で四カ月分、少ない人でも二カ月分に上る。債権者の追及の矢面に立たされる経理担当者は「それでも売り上げが伸びてきたので、みんなでがんばればなんとかなると信じてやってきたのに」と姿を見せぬ藤沢社長に強い怒りをぶつける。

従業員たちは少しでも未払いの給料を回収しようと、未回収の売掛金を調査したが、約三千二百万円の売掛金は社長がすでに失跡前に債権者に権利を譲渡していたという。同社は受け付けた分の荷物については配送を完了。四日から「臨時休業いたします」のはり紙を出し、営業を停止している。

すでに集配用のトラックは債権者に押さえられ営業再開の見通しは皆無だ。「社長に出てきてもらうより手がない」と従業員は九日に対策会議を開き、警察へ藤沢社長の捜索願提出も協議する。

北海道新聞
1981/11/08
http://www.hokkaido-np.co.jp/

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