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1980年3月 5日 (水)

(株)柴野商店[根室市]

根室の漁具、船舶機器販売大手 柴野商店が倒産 釧路地裁に和議申請 手形乱発、負債22億

【根室】船舶や水産機材を扱う根室の代表商社、株式会社・柴野商店(本社・根室市本町三ノ四、資本金二千万円、中林啓次社長)が二十二億円の債務を抱え、五日釧路地裁に和議の開始を申し立て、同地裁はこれを受理するとともに、債務者の財産保全命令を出し、事実上倒産した。同社の取引先は函館をはじめ道内各地に及び、影響が心配される。根室では五十一年九月の日本合同罐詰(負債総額三十八億円)以来の大型倒産で、釧路地方でも史上四番目の負債額。

民間信用調査機関の帝国興信所と東京商工リサーチの両釧路支店によると、同社は二百カイリ二年目以降の水産業界の低迷で漁業者への売掛金の回収が悪化したほか、アラスカに別会社のスリーエーを設立(五十二年)して乗り出したサケの買い付け、加工も魚価安や円安で7億円とも言われる大きな欠損金を出し、五十四年三月期決算の売上高は十八億九千四百万円と前年同期を五億四千三百万円も下回り、負債額は十七億九千万円に上った。さらに昨年秋から、この穴埋めのため幹部が手形を乱発、五日期限の一億円の手形が不渡りになるのは避けられないと判断、四日和議開始を申し立てたが、破産の原因になる事実(不渡り)がまだない、として受理されず、五日改めて申し立てた。

今三月期の決算見込みでは負債総額は二十一億七千万円に上るといわれるが、同社は昭和三年十一月創立のしにせで、船舶や漁網、漁具、無線機器など水産機材を扱う商社で従業員四十五人、道東でも最大手。北海水産(資本金一千万円、冷凍冷蔵、水産加工業)や千島開発(同五百万円、倉庫業など)、シバノデンキ(同五百万円、家電器具、プロパン販売)などの関連会社があり、同社の“倒産”で地元に与える影響が大きいところから、道銀、北洋相銀などが数億円に上る協調融資の体制を固めていた。

しかし、これによって一時的に危機を乗り切れても、その後の見通しが立たないため、中林社長らは「このさい、区切りをつけた方がよい」と決断したようだ。

根室の造船、漁具、船舶機械業者らは売り上げのほとんどを漁業者に頼っているため、魚価安が大きく絡み、売掛金の回収不良、減船による受注の減少に苦しむ二百カイリの厳しい経済環境を反映したものと言えるが、地元の小口債権者にはこれまでにほとんど弁済したといわれる。

このため根室商工会議所は「市内への直接的な影響はほとんどないと思うが、心理的な打撃は大きい。再建に当たっては信用保証などで会議所としても協力したい」(小林正弘会頭)と言っている。

一方、同社の大口債権者としてはヤンマーディーゼル、函館製網船具などがあり、道内各地の取引先への波及が予想される。

北海道新聞
1980/03/06
http://www.hokkaido-np.co.jp/

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