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1976年6月 8日 (火)

(株)白老振興公社[白老町]

白老振興公社が更生法申請 負債11億5千万に

【白老】胆振管内白老地区における公共的土地の先行取得や、分譲事業を目的として白老町が資本金の大半を出資して設立された株式会社白老振興公社=白老町白老一二〇、阿部春雄社長=は「資金の一時的不況により倒産する危険性が大きくなった」と、八日、札幌地裁に会社更生法の適用を申請した。この種の公社で同法適用申請は初。

申請書によると、同社は白老地区に進出を予定する企業の工場、港湾、住宅用地を先行取得するなど公益事業を営むという名目で四十六年十二月に設立。その資本金四千万円のうち三千万円が白老町、残りは大昭和製紙、三協精機などの出資。社長には浅利義市町長(初代)長井忠典助役(二代)の町理事者が就任し、現在の阿部社長は同町農協組合長。

ところが、大量の資金が土地の先行投資に向けられて固定化したうえ、浅利元社長の判断に誤りがあって、四十八年に四億二千八百万円で購入した空知管内栗沢町の山林(約百七十七万六千平方メートル)が転売できず、支払い金利の圧迫とともに負債が雪だるま式に増加。道銀、室蘭信金、北信連、鵡川農協に対し総額十一億五千八百万円の負債をかかえることになった。

こうして先月二十四日には、鵡川農協からの借入金四億円のうち、支払残額の三億五千万円について仮差し押えを受ける羽目になり、「これを無理に弁済すれば企業が維持できなくなる」として会社更生法適用の申請に踏み切った。

同社の代理人、伊東孝弁護士は「所有地の時価上昇により、売却すれば多額の利益が見込まれる。これについては、白老町をはじめ金融機関や取引先の援助と理解が期待でき、適切な管財人を選んで経営を改善すれば更生の見込みがある」と、説明している。

行き詰まりは当然 町民批判「栗沢は投機買い」

【白老】白老振興公社の“不動産商法”がついに行き詰まり八日、会社更生法の適用申請を行ったが、その背後には目的外の取引や職員の使い込みなどの不明朗さがあり、地元胆振管内白老町内では「とうとう行き着くところまで行ったか」と評する人が多い。

同公社は資本金四千万円。白老町のほか、町内に工場を持つ大昭和製紙や旭化成、三協精機、白老漁協、白老町農協などが引き受けた。目的は公共的に必要な動産、不動産の売買、あっせん。

今回、経営が行き詰まったきっかけの空知管内栗沢町内の土地は、「白老に港湾建設を。そのために必要な代替地の先行取得」として、近くの鵡川町農協から約四億円を借りて購入したが、国土計画利用法の規制と不況のため土地は全く売れず、借入金返済に追われていた。毎年返済期限を書き換えて延期してもらっていたが、同農協が組合員の突き上げから、最近、財産仮差し押えの法的手続きを取り、同社の破たんが表面化した。

この仮差し押えで町内の金融機関も「もう貸せません」と見放し万事休した。

最近行われた監査報告では、栗沢町の土地について目的に違反する取引を取締役会の議決もなく行っているとの指摘を受けた。また町民の間からは「栗沢の土地まで買うのは“投機”をねらったのではないか」との疑問、批判が出されていた。このほか、これまでにも四十八年度には、六千七百万円を十カ月の間に他へ浮き貸ししたり、七百万円が三カ月間も使途不明になったり、不明朗も明らかになっている。しかも、今年三月には当時の事務担当者が土地取得代金を二重請求して二百十三万円使い込んだのが発覚し、苫小牧署に逮捕されるなど、ずさんさが目立った。

仮差し押えが行われた後の七日に取締役会が開かれ、その席上、会社更生法の適用申請が決まったが、これまでの経緯については多くの町民が知っており、「あんなやり方では倒産するのは当たり前」と評する人が多い。白老町の理事者は昨年四月の町長選挙を境に代わっているが、町が最大の出資者であることには変わりなく、自治体として今後どう対処するか注目される。

北海道新聞
1976/06/09
http://www.hokkaido-np.co.jp/

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