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1975年9月 8日 (月)

道南バス(株)[室蘭市]

道南バスが事実上倒産 会社更生法を申請 負債総額約34億円 放漫経営たたる

【室蘭】昭和四十五年暮れに経営危機が表面化して以来、揺れ続けていた道内二番目のバス会社、道南バス(本社・室蘭、亀田洸吉社長、資本金三億円、従業員約九百三十人)は、十日に期限が迫った手形など約五千万円の支払いの見通しが立たないため、八日、札幌地裁に会社更生法の適用を申請、事実上倒産した。定期路線バス会社の倒産は戦後、道内では初のケースで、国内でもこれまでに高知県交通、岩手県南バス、同・花巻バスの三社しかない。会社側の説明によると、負債総額は三十三億九千六百万円にのぼるが、五年にわたって経営立て直しが叫ばれながら、永年に渡る放漫経営の傷が深かったのと、ローカル赤字線が足かせとなって再建をはばんだものとみられる。いまのところ連鎖倒産などの波紋が広がる心配はない。バスも平常通り運行される見通しである。

平常運行続ける見通し

同社は会社更生法の適用申請と同時に財産保全の処分も申請した。

同社の経営危機は昭和四十五年暮れに、ボーナスの支給ができなくなったことから表面化した。これはバス運行資材をわざわざトンネル会社を通じて仕入れたり、ローカルの不採算路線を安易に引き受けたためとされ、乗務員のワンマン化など合理化の波にも乗り遅れたのが原因である。また再建の望みを託し十億円を投入したレジャー施設、洞爺サマーランドの失敗が危機に拍車をかけ、最近は燃料代にもこと欠く状態だった。

この間、室蘭市は市議会や労働団体、婦人団体などからなる同市バス連絡協議会を通じて、再建へのテコ入れを図ろうとしたが、十一億円強の累積赤字を抱える同社バスに、ついに手を出すことができなかった。

特に今年八月に、夏のボーナスが予定日に支給されなかったことから、同社労組の亀田社長に対する不信が爆発、同月分の給料支払い不能を機に、唯一の現金収入である売上金の大半を、労組側に差し押えられる事態となってついに会社更生法の適用申請に追い込まれた。

同地裁は一両日中に財産保全処分について判断し、必要ならば調査委員会を設けて申請の内容を調査、再建の見通しがあるとして会社更生法の適用開始が決定されれば、管財人を選任して、更生計画を作成、更生が開始される。同社の資産内容などからして、会社更生法が適用決定されるのはまず間違いないが、管財人の選任や不採算路線の取り扱いが難しく、更生計画に対する組合員の反発も予想されるため、更生開始までは一カ月以上かかる見込み。

この間のバス運行については、労組側が協力を表明、燃料供給を一手に引き受けている室蘭石油株式会社(吉田勝社長)が一応、現金買いを要請しているものの、「あくまでも要望で、市民感情を考えればバスを止めることはできない。企業としてできるぎりぎりまで協力する」(吉田社長)との方針を打ち出し、室蘭市も「住民の足を確保するため最大の努力をする」としていることから、平常ダイヤの運行が続行される見通しとなっている。

北海道新聞
1975/09/09
http://www.hokkaido-np.co.jp/

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