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1972年11月17日 (金)

(株)アカデミー総業[札幌市]

ボウリング場 ついに“ガター” 札幌で更生法申請第1号

レジャー産業のトップクラスを走るボウリングだが、札幌の大手ボウリング場が過当競争と過剰投資による経営不振で十七日、札幌地裁(藤原昇治裁判長)に会社更生法の適用を申請、同地裁は同日夕、財産保全の仮処分を決定した。ボウリング場が会社更生法の適用を申請したのは道内初のケース。

会社更生法の適用を申請したのは札幌市西区発寒九八八、アカデミースポーツレーン。同レーンは株式会社「アカデミー総業」が経営、資本金三千万円。四月二十八日、従業員など約四十人でオープンした。五十二レーンあり、さらにゲームマシン、ビリヤード、レストランなどを総合経営、デラックスムードで売り出したが、過当競争で客足が伸びず、さらに過剰投資がたたってオープン後、わずか半年で経営ピンチになった。

債権額は建設を請け負った松村組が三億三千万円、ボウリング設備を納入した「トーメン」が一億六千万円、中央信託銀行など金融機関に一億八千万円、他に五千万円、計七億二千万円にのぼる。

このため、同社は十七日午前、馬見洲一弁護士(札幌)を代理人として札幌地裁に会社更生法の適用を申請、同地裁は異例のスピードで会社業務と財産保全の仮処分を同日夕、決定した。債権が巨額で影響が大きいことと再建の見通しがあるので同法の適用を検討することになり、営業は平常通り続けられる。

負債七億円を超す 過当競争、行き詰まる

過当競争ギリギリまできた、といわれた本道のボウリング場が、とうとう経営不振の断面をさらけ出した。乱立、ダンピングによるその場しのぎなどのあおりで、札幌・発寒のアカデミースポーツレーンが、ついに会社更生法の適用を申請した。負債約七億円という膨大な金額が、土壇場にあえぐ業界の苦しみをはっきり物語っている。このほか、身売り説をささやかれるボウリング場もかなりあり、アカデミースポーツレーンに続いて、“ガター”(みぞ)に落ちるところが出るのは避けられそうにない。

「とうとう出ましたか」と、ある業界の事情通はうなずいた。その話しによると、第一の原因は過当競争。現在、本道には約二百七十のボウリング場があるが、この大半は昨年からことしにかけてつくられたもの。限界ラインは、一レーン当たり千百人から千二百人というのに、こうした異常とも思える建築ラッシュのあおりで、七百人を割る地区が続出。砂川市では五百人を割り、四十二軒が乱立、さらに近々三軒がオープン予定という札幌でも五百人近くに落ち込みそうだという。

これが各ボウリング場の自分本位の客集めにつながり、経営不振に拍車をかける第二の原因となる。各ボウリング場ともいろいろ趣向をこらしているが、その第一が料金のダンピング。早朝百円などで客を釣ろうとしているものの「確かに安い時は客がくる。しかし、その影響で午後五時以降のゴールデンタイムにはサッパリ。それに従業員の時間外勤務も経営不振に拍車をかけている。業界の目先しか考えない足の引っ張り合いが、実は自分の寿命をちぢめている」と事情通は指摘する。

確かに、本道では昨年、大ブームだった。八月から十二月にかけてがピークで、この期間、娯楽施設利用税(道税)は一億三千万円。それが、今年に入りあきられてきたこともあって、全道平均の一レーン当たりのゲーム数は昨年九月六十八ゲームだったものが、今年の同じ月には四十八ゲームに減った(道ボウリング場協会調べ)。札幌市内などでは四十ゲーム前後になったという。

にもかかわらず、業者はボウリング場づくりをやめなかった。最近、建築を取りやめたり、パチンコ、マージャンなどの付帯遊戯施設やショッピングセンターを併設しているところもあるが、だいたい一レーン当たり千五百万円もの費用がかかるという。それに、せいぜいショッピング場か倉庫程度ぐらいしか転用できない欠点もある。一般に五年で償還できれば健全経営ができるとされているが、そんなボウリング場はいまではあまりないのが現状だ。

このため、大資本に身売りしたボウリング場も最近、札幌だけで二軒。そのほか、うわさになっているところも多い。また、倒産を心配されているボウリング場も道内にはある。札幌市内では、八軒が乱立する琴似界わいをはじめ、北地区などが危険という声もあるが。今度、会社更生法の適用を申請した発寒のアカデミースポーツレーンは、この四月にオープンしたばかりだった。全国的に見た場合、転廃業したケースは百六十軒にのぼるといわれる。「本道は冬が長く、室内レジャーに住民はうえているから…」「主婦、高校生などわ中心に新しいファッションを開発すればまだまた」という強気の声もあるものの、一年前のゲームをするために列をつくって並んで待つというブームは、いまは夢のよう。冬に向かって、ボウリング場の行く手は一段と厳しさを増してゆくようだ。

北海道新聞
1972/11/18
http://www.hokkaido-np.co.jp/

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