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1963年8月

1963年8月30日 (金)

(株)味のセンター[札幌市]

会社整理開始(昭和37年(ヒ)第18号)

(株)味のセンター(札幌市大通西3丁目11番地)は8月30日、札幌地裁から会社整理手続開始決定を受けた。

1963/09/10
札幌地方裁判所民事第一部

 
主文
被申立人株式会社味のセンターに対して、整理の開始を命ずる。

理由
申立人等代理人は、主文同旨の裁判を求め、その申立の要旨として、「申立人等は、何れも被申立会社の取締であるが、被申立会杜は昭和三十三年十二月二十四日資本金二、一〇〇、〇〇〇円で設立され、札幌市南大通西二丁目に店舗をもうけ、これに登きわ(すき焼)、天政(天ぷら)、中央亭(和食)、菊鮨本店(すし)、[キ]本店(そば)、かどや(うなぎ)の六店を入店営業せしめ、その売上管理をなして手数料収入を得ると共に賃料収入を得る方法により営業をなして来たところ、漸次多数の#客を得られるまでに発展して来たので、昭和三十五年六月より同市南二条西二丁目そうごデパート内に地下食堂を開店し、更に前記店舗を閉店するとともに同年十二月十四日同市南大通西三丁日に鉄骨鉄筋コンクリート建地下二階地上六階のビルデイングを建て、これに前記[キ]本店、かどやの両店を除く、他の四店に新店舗を開店せしめたが、自己資本が過少であるのに拘らず、過大なしかも市中銀行に比べ高利でかつ弁済期も短期の借入金を導入し、その操作によつて過大な計画を樹立遂行しようとしたこと、四店の統一性につき管理不充分な点があつたことと、経営者が小企業の経営には習熟していたものの、これを結集したスケールの企業の経営については経験不足であつたこと等もあつて、昭和三十七年九月三十日現在資産合計一七〇、六四一、四五九円に対し負債合計二〇七、三三七、〇八二円、資本金二二、〇〇〇、〇〇〇円となり、従つて差引合計一四、六九五、六二三円の債務超過の状況にあり、この状態は現在においても殆んど変つていない。

しかしながら、被申立会杜の店舗は札幌市内の中心街にあり、飲食店運営に最適の立地条件を備えているので、今後は売上高の自然増が期待できること、有能な管理人を得て強力な統制を加え洗練された管理技術を駆使するときは、前記四店の綜合力を有機的に発揮し収益力を強め充分な利益をあげ得る余地があること、反面そうごデパートの地下食堂の経営を廃止し、不動産を売却することにより臨時収入を得ることが期待でき、その結果前記債務を約五年間で全額弁済することも可能であるとともに、被申立会社の事業の維持のため、債権者の協力を得る見込が十分あつて、その整理が可能であると推測されるので本申立に及んだ次第である。」
というのである。

よつて本件記録編綴の申立人等代理人提出にかかる各疎明資料及び検査役石ケ森泰臧作成の検査報告書によれば、申立人らがいずれも被申立会杜の取締役であること昭和三十七年九月三十日現在被申立会社の資産合計一七〇、六四一、四五九円に対し、負債合計二〇七、三三七、〇八二円、資本金二二、〇〇〇、〇〇〇円であり、従つて差引一四、六九五、六二三円の債務超過の状況にあり、この状況は現在においても殆んど変つていないこと被申立会社がこのような状態に陥つた原因は被申立会社が創業以来漸次多数の顧客を得て順調に発展して来たので、更に利益の増大をはかろうとして昭和三十五年に至り新店舗として同市南大通西三丁目に鉄骨鉄筋コンクリート建地下二階地上六階のビルデイングを建築し、従来の営業規模を著るしく拡大したため自己資本二二、〇〇〇、〇〇〇円に対し借入金等他人資本は合計一四六、六三〇、〇〇〇円にまで達したのに対し、右ビルデイングの使用方法、経営方針等営業政策に不充分な点があつたため営業実績が予想を下廻り、また右ビルデイング中三階西側は株式会社天政に、三階東側は広瀬商事株式会社に、四階は株式会社菊鮨中央亭に、五階及び六階東側は株式会社登きわに各売却してその代金の可成りの額が未回収となつているにも拘らず株式会社天政、広瀬商事株式会社、株式会社菊脂中央亭から各所有部分を月額合計六〇〇、〇〇〇円で賃借していること等により、借入金およびその支払利息を弁済出来るだけの収益を挙げ得なかつたことにあるものと認められるのであるが、昭和三十八年二月十四日現在支払期日の到来し、現実に支払を要する負債は約一二七、七八〇,〇〇〇円であり、適当な管理人を得て経営者相互間の調和、統一をはかることにより経営形態を改善し、また右ビルデイング中の売却部分に関する権利関係を明確に処理し、札幌市の中心街にあつて飲食店経営に好適の立地条件に恵まれた同ビルデイングの有効な利用につとめれば、被申立会社は十分な収益をあげ得ることが期待でき、整理の実施について債権者の協力も得られる見込みなので、これによれば前記債務の償還及び会社の整理が可能であるということができる。

よつて、本件申立は理由があるものと認め、商法第三八一条第一項、非訟事件手続法第一三五条の三一を適用して主文のとおり決定する。

昭和三十八年八月三十日
札幌地方裁判所民事第一部

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