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1962年11月29日 (木)

宗谷炭鉱(株)[札幌市]

会社整理開始(昭和37年(ヒ)第9号)

宗谷炭鉱(株)(札幌市南1条西12丁目322番地)は11月29日、札幌地裁から会社整理手続開始決定を受けた。

1962/12/13
札幌地方裁判所民事第一部

 
主 文
被申請人宗谷炭鉱株式会社に対し整理の開始を命ずる。

理 由
一、申請人代理人の求めた裁判は主文同旨である。

二、申請理由の要旨はつぎのとおりである。
1申請人は被申請会社の取締役であり且つ六箇月前より引続き発行済株式総数の一〇〇分の三以上を有する株主である。

2被申請会社は昭和二十一年三月一日設立され、資本金は八〇〇万円であり、石炭の採掘及び販売を主たる目的とする会社で現在稼行中の宗谷郡田淵炭鉱(鉱区登録番号北見国採掘権第五七号、同第三四四号)及び未開発の宗谷郡猿払炭鉱(鉱区登録番号北見国採掘権第八八号、同第八九号)を有するものである。

3被申請会社の有する右曲淵炭鉱は天北炭田のうちの主要な位置を占める炭鉱であり、被申請会社は同炭鉱の採掘により昭和二十八年頃には年産約六万屯を出炭する規模を有し、その経営もほぼ正常であつたところ、同三十年末石炭鉱業合理化臨時措置法の施行にともない被申請会社においても新たに合理化計画をなし、以来同三十三年#に総額約一億円を投じてスキツプ斜坑関係の一連の合理化工事を実施し、出炭原価の低減、出炭量の増進などを図つたのであるが、その技術的な見通しの過誤からその効果を発揮することができず逆に出炭量の頭打ちと原価の上昇という悪結果を斉うし、その後は借入金の返済利払などの負担の増大も伴つて会社経営の不振に陥つた。
特に同三十五年頃からは政府、業界の炭価引き下げ要請などにより石炭鉱業の将来に不安が持たれる情勢となり、被申請会社においてはこれに加えて右経営不振から来る賃金の遅払により比較的若干層の労務者の転退職が相次いだため人員の減少を来たし、ために出炭量の著るしい減少、引いては売上高の減少、出炭原価の上昇と悪循環に陥り当時約三、〇〇〇万円の赤字を出したこともあつた。尤も右危機は後記融資獲得のほか被申請会社の組夫の導入による掘進増張、採炭夫の募集の強化などの努力により同三十六年五月頃からはほぼ小康を保つまでに回復した。

4被申請会社の販売方式は昭和二十四年九月に石炭統制が撤廃されて以来目立経営方式により自売制をとつていたのであるが、前記のごとくその経営不振に陥つたため同三十六年一月からは被申請会社から出炭する石炭の販売権を申請外三菱商事株式会社の集炭機関である申請外東光石炭販売株式会社に委ね、以後右東光石炭の信用利用とその資金的援助のもとに経営の回後を計つて来た。特に被申請会社の手形はいずれも右東光石炭の手形として銀行割引を得これを現金化して資金に充当して来たのである。
ところが被申請会社の右東光石炭を通じての取引先である申請外丸宗石炭株式会社は同会社の取引先であつた申請外中西商店が昭和三十七年六月十五日手形の不渡りを出して倒産したことから同月二十日相次いで手形の不渡りを出して倒産し、そのため右丸宗石炭と被申請会社の取引関係を考慮した東光石炭も将来を恐れたためか遂に手形を不渡としたため、ここに被申請会社は全く金融の途を失う結果となり会社整理に入らざるを得なくなつた。

5被申請会社の昭和三十七年六月二十日現在における負債は銀行関係の長期、短期借入金並びに支払手形、割引手形、裏書手形など合計四五六、三五一、二九七円でありこれに対し、資産は合計四〇四、二四九、六五六円であるが、その資産の主要部分は資金化の困難な固定資産をもつて構成され、その他の預金、受取手形、売掛金などの当座資産もその流動性を欠きこれを資金化することが困難な実情にある。

6しかしながら被申請会社は前記のとおり現在採掘中の曲淵鉱区の外に未開発の猿払鉱区を有しており右猿払鉱区はその埋蔵量は七、〇〇〇万屯を超えると推定されておりその炭層も厚く又右曲淵鉱区の石炭とともにその炭質もよくいわゆる家庭用暖房炭としてその用途も広く、今後少なくとも月産六〇〇〇屯の出炭を確保できれば将来はその販売面にも不安はなく正常な経営に復し会社を再建することが充分可能であり且つ期待しうるところである。

7しかるに前記のとおり被申請会社の現況は、中西商店の倒産に起因する東光石炭の手形不渡りから運転資金面での窮迫化は著るしく、このまま放置するにおいてはますます悪化の一途をたどり、遂には操業中止の危機に陥る虞も充分考えられるほか、多数の債権者よりの訴訟、強制執行、任意競売などの法律的手段に訴えられ、その結果会社所有の不動産、機械類なども廉価に換価されて債権者にも不充分であり且つ不平等な事態も惹起されることが予想される。よつて本件申請に及ぶ。

三、右各事実は一件記録によつて認めることができ、その認定事実をもつてすれば被申請会社は支払不能に陥る虞ありということができる。
そうすれば本件申請はその理由があるものといえるから、商法第三八一条第一項非訟事件手続法第一三五条の三一により主文のとおり決定する。

昭和三十七年十一月二十九日
札幌地方裁判所民事第一部

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